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深部静脈血栓症
深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう)とは、深部静脈に血栓(血液のかたまり)が形成される病気です。静脈血栓症は血栓性静脈炎とも言われ、多くは二次的に静脈壁に炎症所見を伴います。静脈血栓症は全身の表在性や深部のどの静脈にも起こりえますが、下腿静脈、大腿静脈、骨盤内深在静脈などの深部静脈血栓症は頻度も多く、時に重篤な肺塞栓を生じる可能性もあります。
基礎疾患(易血栓形成性)や合併症(肺塞栓)のコントロールが十分にでき、早期治療(血栓溶解)ができた場合、良好とされていますが、少なくとも1年は経口抗凝固療法を施行する必要とされています。
欧米ほど高頻度ではありませんが、日本でも増加の傾向にあり、男性よりも女性にやや多く、40代後半から50代におきやすいとされています。
深部静脈血栓症の5~10%に、肺塞栓症が発症すると言われており、早期発見が重要となります。
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深部静脈血栓症の症状
深部静脈血栓症では炎症をほとんど生じないため、痛みも静脈上の皮膚の発赤もごくわずかです。また、患者の約半数は無症状で、併発した肺塞栓症による胸の痛みが異常を知らせる場合もあります。血栓で下肢の太い静脈の血流が遮断されるとふくらはぎが腫れ、痛み、圧痛、熱感などの症状が現れます。足首、足、あるいは太ももが腫れる場合もありますが、どの静脈に血栓が形成されたかによって異なります。一部の血栓は、瘢痕(はんこん)組織に置き換わって静脈の弁に損傷を与えることがあります。弁が損傷すると静脈は正常に機能できなくなり、体液がたまって足首がむくみます(浮腫)。静脈が詰まる位置が高いと、すねや太ももまで浮腫が広がることがあります。立っているときや腰掛けているときには、血液は心臓に達するために重力に逆らって上に向かって流れなくてはならないため、1日の終わりに近づくほど、むくみがひどくなります。脚を水平にすると静脈内が空になるため、夜間はむくみが解消されます。
慢性深部静脈不全
深部静脈血栓症の末期に発症します。脚の深部静脈や連結静脈の弁が機能しなくなります。そのため脚から心臓へ血液が適切に戻らなくなります。最終的には損傷を受けた静脈が完全に詰まります。脚はいつもむくんだ状態になり、1日の終わりになると悪化します。足首の内側の皮膚が荒れてかゆくなり、赤みを帯びた茶色に変色します。この変色は皮膚内の拡張した静脈から赤血球がしみ出てくることが原因です。変色した皮膚は傷つきやすく、ひっかいたりぶつかったりしただけでも傷ができて潰瘍になることがあります。また、静脈瘤がみられることもあります。潰瘍の痛みに加えて、立ったり歩いたりすると拍動性の痛みが生じます。
瘢痕組織が形成されて組織内に体液がたまると、むくみがひどくなって長時間にわたって続きます。結果として、ふくらはぎは永久的に肥大し硬くなります。このような状態になると、さらに潰瘍が発生しやすくなり、治りにくくなります。
深部静脈血栓症:検査・診断
その他の病気と区別するため、静脈造影、超音波検査、造影CT、MRA(核磁気共鳴検査)、血流シンチなどを行い、血栓による静脈閉塞を診断します。 また原因となる血液凝固能異常など血栓をおこしやすい体質かどうかを血液検査で調べます。深部静脈血栓症の5~10%に、肺塞栓症が発症すると言われており、早期発見が重要となります。
深部静脈血栓症に関するQ&A
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