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肺結核
肺結核(はいけっかく)とは、結核菌による慢性的な肺炎を指します。半世紀前までは国民病と恐れられた病気でしたが近年では治療法の確立などにより患者数は激減しています。しかし、高齢者やHIV患者など抵抗力が弱っている人にとっては今でも致死率の高い病気の一つです。スポンサーリンク
肺結核の症状
肺症状の特徴は臨床症状が少ないことです。ですが、胸膜炎や乾酪性肺炎、またぱ粟粒結核などの場合には、発熱など強い症状が出現し、またシューブを起こしたときには、咳、痰、血痰、喀血、発熱、胸痛、寝汗、疲れ、脱力感など急性呼吸器感染症としての症状が出現することもあります。
しかし、これらの症状は、肺結核にしか見られない症状ではないため、診断が遅れてしまうこともしばしばあります。レントゲン写真では軽症であれば気管支に花が咲いたような淡い陰影や肺炎のような影を肺の上方に診られることもあります。
肺結核に特徴的な空洞がレントゲン写真で確認できるのは、症状がかなり進行してからです。痰の培養で結核菌を確認することで診断します。
肺結核の治療
肺結核の治療の根本は、できるだけ強力な化学療法を行い、しかも短期に終了するかにあります。そのため、強力な抗結核菌作用を有するINH(イソニアジド)、RFP(リフアンピシン)、SM(ストレプトマイシン)、EB(エタンブトール)、KM(カナマイシン)などをまず使用して、再治療例や耐性例に1321TH(プロチオナミド)、PZA(プラジナミド)、またはEVM(エンビオマイシン)などを使用します。
通常の場合は、初回治療として、INH十RFP十SMを根幹とした三者併用ではじめることが多いです。肺結核の治療期間は排菌が3ヵ月以内に陰性化した場合は,6ヵ月後に二者併用にして、1年前後で肺結核の治療は終了します。
ですが、長期排菌例、他の病気とのとの合併例、あとは再治療例では、排菌が6ヵ月以上停止し、空洞が診られなくなるか、または空洞壁の厚さが全周にわたり2mm以下となるまで治療を続けます。
肺結核の予後と対策
肺結核の予後は病状と治療によって左右されます。肺門リンパ節腫脹や範囲の狭い浸潤巣は10年後80%が完治し,その半数は治療なしでも治癒しているとされています。
ですが,浸潤巣の範囲が広くなったり,空洞が存在すれば自然治療はほとんどなくりますが,治療により10年後に70%は治癒する.広範空洞型は後遺症とまではいきませんが、予後が悪く、10年間で結核死亡は75%,治癒は10%にしかすぎません。
肺結核は早期発見と適切な治療が必要であるといわれるのはこのためです。このほか,最近の重症例では、必ず糖尿病の合併を考慮しなければなりません。また,肺癌、膝繰維症,けい膝などの病気と肺結核を合併した場合には,肺結核が発見しにくいようです。
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ツベルクリン反応とBCG接種
結核菌に感染しているかどうかはツベルクリン反応でわかります。検査の際は皮膚にツベルクリン(結核菌の培養液から菌を取り除き、加熱・濃縮したもの)を注射し、2日後に反応を調べます。
注射した部分の赤い腫れの直径が4ミリまでなら陰性と判断され肺結核の心配はありませんが、もしも直径が5~9ミリなら陽性の疑いあり(疑陽性)、10ミリ以上なら陽性の診断となり、結核菌感染の可能性が考えられます。
BCG接種は各国によって対応が異なりますが、日本では2005年4月から生後6ヶ月までに全員打つことが義務付けられました。これはBCG接種によってかなりの確率で肺結核の発病を防げることがわかっているからです。
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