病名や検査法、治療法などの詳細情報を知りたい方はこちらで検索してください。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍
胃潰瘍、十二指腸潰瘍(いかいよう、じゅうにしちょうかいよう)は、ピロリ菌、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID:エヌセイド)などにより、この防御機構が傷害されて粘膜が傷つき、そこが胃液の攻撃にさらされることで、胃や十二指腸の粘膜や組織の一部がなくなる病気です。スポンサーリンク
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の症状
胃や十二指腸の粘膜が、自ら分泌した胃液によって消化され、傷ついてしまう(潰瘍になる)病気です。代表的な症状は、みぞおちのあたり(心痛部、上腹部)の痛みです。とりわけ、空腹時にこの痛みがみられることが多く、ずきずきとした痛み、鈍い痛み、焼けつくような痛みなど、患者さんによっていろいろな痛みがおこります。多くの場合、食事をとると一時的に痛みがやわらぎます。
ただし、痛みの程度と潰瘍の重症度は必ずしも一致しません。胃潰瘍と十二指腸潰瘍では、その痛み方に特徴があります。胃潰瘍の場合はみぞおちから左にかけて、十二指腸潰瘍はみぞおちから右にかけて痛むことが多いのです。
またこの潰瘍痛は、食事かあるいは空腹とも関係があります。げっぷ、胸やけ、胸のむかつき、食欲不振、体重減少といった症状もよくみられます。胃潰瘍の場合には、食事中から食後にかけて痛みが起こることが多く、十二指腸潰瘍の場合は、空腹のときに起こることが多いです。
つまり胃潰瘍の痛みは、胃に入った食べものが直接潰瘍を刺激したことによって起こるものであり、十二指湯漬瘍の場合には、胃酸が潰瘍を刺激することによって起こるとかんがえられます。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍による出血の場合、血液が一時的にたくさん出て、その血液を口から吐けば吐血となり、コールタール状または黒泥状の使として排泄されると下血となります。
このように潰瘍から一時的に大量に出血した場合は、本人もすぐにわかるのですが、大部分の患者さんは、毎日きわめて少しずつ出血しているということが多いため、出血の自覚がない場合が少なくないのです。
胃潰瘍は40~50歳代に、十二指腸潰瘍は20~40歳代に多くみられます男性の患者さんが多く、女性の約3倍といわれています。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因
潰瘍が発生する原因を簡単に言うと胃や十二指腸での攻撃因子と防御因子のバランスが崩れることでおきます。
胃や十二指腸では、食べ物を消化するための攻撃因子に対しては、たとえば胃粘膜の表面を粘液がおおうなどして、胃を守る作用(防御因子)が働いています。防御因子には、粘膜を保護する粘液のほかにも、アルカリ性物質で胃酸の力をやわらげる重炭酸、粘膜を健全に保つ血涙、その血涙をよくする働きのあるプロスタグランジンという物質などいろいろなものがあります。
健康なときはこのバランスがとれているため、粘膜が傷つくことはありません。なんらかの原因で攻撃因子の勢力が防御因子の勢力を上回り、そのバランスが崩れると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を発症します。
十二指腸潰瘍では健康な人に比べると胃酸の分泌が高まっていますが、胃潰瘍では酸分泌の完進はみられず、むしろ防御因子の力が弱まっています。
また、1983年にヘリコバククー・ピロリという菌が発見されました。その後の研究から、ほとんどの潰瘍の患者さんで、胃粘膜内にビロリ菌が棲息していることが確認され、この菌を取り除くことによって潰瘍の再発を予防できることもわかってきました。
そのほかの十二指腸潰瘍の原因として、胃粘膜を傷つける可能性のある強いアルコール類、胃や十二指腸の粘膜の血管を収縮させ血涙を悪くするたばこなどがあります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の食事療法
最近までは、十二指腸潰瘍になった場合の食事は、お粥などの流動食を食べるべきだという考えが一般的でした、ですが特定の食材によって、十二指腸潰瘍が悪くなるということは、証明されてはいません。ではなぜ食生活に気をつけなければならないのでしょうか?
食生活を規則正しくするということは、間食などをせずに、1日3回バランスの取れた食事を取るということです。食事を1日に何回も小分けにして食べたり、寝る前に食べたり、間食をしたりすると胃酸の分泌が盛んになり、潰瘍が出来た胃や腸のダメージになってしまいます。
食事の内容などを治す前に、十二指腸潰瘍を改善するためには、胃炎と同じように食事を規則正しくとるということが大事です。
これには、本人だけではなく、家族の協力が不可欠です。根気よく続けましょう。
タバコ、アルコールの摂取を控える
タバコを吸うひとと吸わない人では、十二指腸潰瘍の治りがずいぶん違ってきます。お酒の場合は、少量ならば、逆に十二指腸潰瘍の治りを促進するようですが、飲みすぎは悪化しますので控えましょう。空腹を続けない、腹8分目を守る
空腹が続くと、胃酸過多になりますので、潰瘍を傷つけてよくありません。 また、食べすぎも、潰瘍を悪化させる原因となりますので注意です。食後に1時間ほどゆっくりする
昼間お仕事をしている人は難しいかもしれませんが、それでも出来るだけ休むようにしてください。運動をしていると、消化の進行が良くならないためです。どうしても無理な方は、夜ご飯と朝ごはんだけでも食べた後にゆっくりと休むようにしてください。胃潰瘍・十二指腸潰瘍の治療と薬
どんなに良い薬や注射で治療をしても、十二指腸潰瘍という病気は、患者さんが、キチンとした生活をしてくれないと、一向に症状はよくなりません。患者さんが、暴飲暴食をしたり、喫煙、睡眠不足などの不規則な生活をすれば、たちまち症状は悪化してしまいます。
十二指腸潰瘍の治療は、まず「規則正しい日常生活」ありきです。その上で、薬や注射などで治療していきます。十二指腸潰瘍は、日常生活を正しくして、ストレスをなくしていけば、薬で間違いなく治療できるでしょう。
しかし、この十二指腸潰瘍という病気、再発率が高いことでもしられています。完治したからといって、また、不規則な生活に戻ってしまうと、すぐに再発してしまう恐れがありますので、普段から規則正しい生活を心がけることが大切です。
十二指腸潰瘍の原因としては、様々なことが考えられますので原因に見合った薬を服用することで治療をしていきます。
胃の細胞壁に直接働く薬
「プロトンポンプ阻害薬」といわれるもので、十二指腸潰瘍の薬の中でももっとも有効とされている薬です。この薬は壁細胞が胃酸を出すときに働くポンプを動かなくしてしまい、胃酸が全くでなくなります。胃酸を中和する薬
昔は、胃酸として用いられてきた薬の主役は重曹でしたが、酸を中和するときに炭酸ガスが発生し胃を刺激してしまうために、最近ではアルミニウム化合物やマグネシウム製薬などが治療に使われています。この他にも、十二指腸潰瘍に有効な薬としては、神経を遮断して胃酸を分泌させなくする、抗コリン薬や粘膜を保護する薬、血流を増加させる薬など、多種多様にあります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の手術
現在では、ほとんどの場合、胃潰瘍・十二指腸潰瘍は手術をしなくても、規則正しい生活と、薬の服用で完治することが出来ます。ですが、下記のような場合によっては胃潰瘍・十二指腸潰瘍でも一部では手術をしなければならない場合が合います。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍の癌化
多くの場合、潰瘍の癌化は、潰瘍のヘリの部分の一部に出来ます。この場合、内視鏡だけでは、発見できない場合が多いので生検で調べなければなりません。また、潰瘍には良性サイクルと悪性サイクルというのがあります。潰瘍が癌化したものは悪性サイクルでこの場合は手術が必要です。
出血が止まらない場合
多くの十二指腸潰瘍、胃潰瘍などの出血は、注射や薬などで止血されますが、こういった処置をしても出血が止まらない場合は手術をする必要があります。潰瘍によって入り口が狭くなっている場合
潰瘍によって十二指腸の入り口に潰瘍ができて、狭くなってしまったときは場合によっては手術が必要になります。ですが、薬の服用などで直る場合もありますので、即手術とはなりません。潰瘍の悪化で穴が開いてしまったとき
この場合は、緊急手術が必要です。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍に関するQ&A
名医がいる病院(都道府県別)
【北海道・東北】北海道 青森県 秋田県 岩手県 山形県 宮城県 福島県
【関東】
東京都 神奈川県 千葉県 埼玉県 群馬県 栃木県 茨城県
【北陸】
新潟県 石川県 福井県 富山県
【中部】
愛知県 三重県 岐阜県 静岡県 山梨県 長野県
【関西】
大阪府 京都府 兵庫県 滋賀県 奈良県 和歌山県
【中国】
広島県 岡山県 山口県 島根県 鳥取県
【四国】
徳島県 香川県 愛媛県 高知県
【九州・沖縄】
福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県