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膠質反応検査(TTT、ZTT、コロイド反応)
血液の成分の一つである血清には、常に一定量のたんぱくが含まれていて、代謝の働きを助けたり、体を常に同じ状態に維持したりするのに役立っています。血清たんぱくの大半は肝臓で作られているため、この数値が上がるということは、肝機能に障害があることを示唆しています。そこで、血清たんぱくの変化を調べる方法の一つが、この膠質反応(こうしつはんのう)検査です。スポンサーリンク
血清たんぱくには100ほどの種類がありますが、主なものはアルブミンとグロブリンで、グロブリンはさらにα1、α2、β、γという4つの分画に分けられます。γ-グロブリンを除き、血清たんぱくの大半は肝臓で作られています。
膠質反応をみる方法はいくつかありますが、自動化しやすく結果が早く出ることからTTT(チモール混濁試験)とZTT(硫酸亜鉛試験)という二つの方法がよく行なわれています。
膠質反応を調べると何がわかるのか?
膠質反応は、肝機能検査のスクリーニング(ふるいわけ)として用いられています。
TTTとZTTは主として血清アルブミンの減少とγ-グロブリンの増加を反映する膠質反応の1つで、肝障害時における血清たん白成分の異常を推測するための検査です。
TTT値を調べることにより、肝疾患あるいは多発性骨髄腫のようなγ-グロブリン(特にIgM)が増加する疾患を、一方、ZTT値を調べることにより、骨髄腫などのMたん白血症を推定することができます。
また、それぞれの混濁の程度(数値の上下)で肝障害の病態変化を把握できるので、診断だけではなく経過観察にも利用されています。
膠質反応(TTT / ZTT)の基準値
TTT(チモール混濁試験) | 0~5クンケル単位 |
---|---|
ZTT(硫酸亜鉛試験) | 2~14クンケル単位 |
膠質反応検査の判定
TTTだけが高値の場合は急性肝炎、TTTとZTTがともに高値の場合は慢性肝炎が考えられます。
なお、高脂血症ではTTT、膠原病や慢性感染症ではZTTが高値を示しますので、他の検査を受けてその鑑別をすることが大切です。
膠質反応検査に異常があったらどうするか?
膠質反応の検査だけでは、診断を確定できないので、GOT・GPT、γ-GTP、ALP、LDH、血清総たんぱく分画、γ-グロブリン、コレステロールなどの測定も行ない、肝臓の病気かどうかを確かめます。さらに、場合によっては超音波検査やCT検査、血管造影なども行ないます。とくにA型肝炎の確認のため、γ-グロブリンのうちのIgMHA抗体が陽性(+)かどうかを調べます。
膠質反応検査で異常があった場合に疑われる病気
- TTTが高値値…急性・慢性肝炎、高脂血症、膠原病、脂肪肝、肝硬変など
- ZTTが高値…肝硬変、急性・慢性肝炎、肝がん、膠原病、骨髄腫、悪性腫瘍など
- ZTTが低値…胆汁うっ滞症、ネフローゼ症候群、糸球腎炎、骨髄腫など
膠質反応検査(TTT、ZTT、コロイド反応)に関するQ&A
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