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PDT治療（光線力学的療法）
PDTとはPhotoDynamic Therapyの略で、日本語では光線力学的療法とも呼ばれます。いわゆるレーザー治療法の一つ です。スポンサーリンク
PDTとは
PDTとはPhotoDynamic Therapyの略で、日本語では光線力学的療法とも呼ばれます。いわゆるレーザー治療法の一つ です。一般にレーザー治療と言うと高出力のレーザーを使って病巣を焼き切るイメージがあると思いますが、PDTで使用するレーザーは出力の弱いレーザーで、病巣を焼くどころかレーザーに手をかざしてもほとんど熱さを感じません。
PDTに必要なものはレーザーと光をあてると化学反応を起こす光感受性物質です。
ある種の光感受性物質（ひかりかんじゅせいぶっしつ）は正常な部位よりも、癌にたくさん集まる性質があるので、レーザーをあてると正常組織にはダメージを与えず、癌だけを選択して治療することができるのです。
光感受性物質とは光をあてると化学変化をおこす感光物質と考えてください。
非常にたくさんの光感受性物質がありますが、この中から体に害がなく、さらに癌に選択的に多く集まる物質（腫瘍親和性光感受性物質）がPDTに使用されるのです。
現在日本では『フォトフリン』『レザフィリン』という2つの腫瘍親和性光感受性物質が癌治療用として厚生労働省の認可を受け保険適用を受けています。
これらの光感受性物質はレーザー光をあてると活性化し、落ちついた状態に戻る際に活性酸素を出すと言われています。これが癌を殺すのです。
腫瘍親和性光感受性物質は癌に多く集まり、正常組織に集まりにくいので、レーザーを癌を含めた大きな部位に照射しても、癌の部位だけが治療され、正常組織はほとんどダメージを受けないのです。
PDT治療は保険の対象か？
1986年以降、早期の肺癌、胃癌、食道癌、子宮頚癌に対し保険で治療がきるようになっています。癌ではありませんが近年、加齢性黄斑変性症という眼科疾患にも保険適用を受けています。
PDTが肺癌の治療に適しているのはなぜか？
肺癌による死亡者数の増加は顕著で、日本においても1994年に男性の癌死の1位に、1999年からは男女合わせての癌死因の1位となりました。
肺癌は特に高齢者に多く発生し、また人によって、癌の特徴が異なるので、ひとりひとり個別の治療、いわゆるオーダーメイドの治療が最も望まれる疾患なのです。
高齢者で喫煙者の患者さんは肺そのものがダメージを受けており、手術で肺を切除すると通常の生活が制限されたり、肺炎等の合併症で致命的になる可能性もあります。
これがPDTですと癌だけを治療し、正常の部位はほとんどダメージを受けないので、治療後に肺機能が保たれるのです。
肺癌の特徴のひとつとして、発生部位によって腫瘍の性格が異なることがあげられます。すなわち、肺癌は太い気管支にできる中心型肺癌と肺野に影が写る末梢型肺癌に大別され、進展形式が異なるため治療法にも違いが生じるのです。
中心型肺癌（太い気管支に発生する肺癌）は気管支鏡で病巣を見ることができるので、気管支鏡を使った治療でいろいろな工夫ができます。
肺癌でPDTが適応となるのは太い気管支にできた早期肺癌です。
大きさは1cm以下が望ましいとされています。
肺癌の早期発見のためには？
PDTの適応となるためには初期の肺癌でなければなりません。また、太い気管支にできる肺癌は胸部X線写真はおろか、胸部CTでも写真に写らないのです。
おもに咳や血痰が初発症状のことが多いので、長引く咳や血痰の症状のある方は呼吸器専門医を受診してください。
この時大事なのが喀痰細胞診です。痰を専用の容器にとって顕微鏡で癌細胞があるかどうかを検査するのです。癌細胞が存在したり、偽陽性（あやしい細胞がある）の場合は気管支鏡という直径5mm以下の細いカメラ付の管で気管支の中を観察して、異常部位（癌の部位）を探し出すのです。
日本における年間6万人の肺癌新患者さんのうち、およそ30％が中心型肺癌であるとすれば、1万8千人の患者さんがPDTで治療できることになります。
しかし実際のところPDTの恩恵を受けている肺癌患者さんは、年間100人程度と推察されます。胸部X線写真に写らないので、早期に発見する事が難しいのです。
喀痰細胞診の徹底による早期発見と安価で小型のレーザー装置の普及、そして患者さんの治療への関心がPDT普及の糸口であると考えています。
PDTで治療できる疾患
保険適用ではありませんが、進行胃癌、進行大腸癌、進行肺癌、脳腫瘍、舌癌、喉頭癌に対する治療も行われています。
またニキビ等の皮膚科疾患や、動脈硬化症などの良性疾患に対する治療も始まっています。
PDT治療を受けることができる病院
旭川医科大学附属病院
岩見沢市立総合病院
北斗病院（帯広）
宮城県立がんセンター
筑波大学附属病院
東京医科大学茨城医療センター（東京医科大学霞ヶ浦病院）
獨協医科大学病院
群馬大学医学部附属病院
埼玉医科大学 総合医療センター
国立がんセンター東病院
千葉大学医学部附属病院
神奈川県立がんセンター
東京医科大学病院
東京医科大学八王子医療センター
国立がんセンター中央病院
東京医科歯科大学医学部附属病院
佐々木研究所付属杏雲堂病院
山王病院
静岡がんセンター
浜松医科大学医学部附属病院
県西部浜松医療センター
愛知医科大学付属病院
藤田保健衛生大学病院
金沢大学附属病院
城陽江尻病院
兵庫県立がんセンター
大阪市立総合医療センター
大阪府立成人病センター
近畿中央胸部疾患センター
広島市民病院
広島大学病院
山口大学医学部附属病院
久留米大学病院
佐賀県立病院好生館
長崎大学病院
PDT治療（光線力学的療法）に関するQ&A
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