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胃液分泌機能
胃液分泌機能検査では、胃液の分泌量や酸度、色などを調べ、胃炎などの治療の参考にします。スポンサーリンク
胃液分泌機能検査の目的
胃液は塩酸、粘液、ペプシンなどの酵素からできていて、1日の分泌量は約1~2リットルです。
胃液の分泌は、神経性要因(迷走神経)と体液性要因(ガストリンなど)の2つの要因の刺激・抑制によってバランスを保つように調整されています。しかし、胃炎や胃・十二指腸潰瘍、幽門狭窄など、胃になんらかの疾患があると、分泌量が増減したり、酵素が変動したりします。
胃液の分泌量や酸度、臭い、色などをチェックすることにより、胃炎の治療や、胃・十二指腸潰瘍の手術の参考にしたり、ゾリンジャー・エリソン症候群の診断を行なったりします。この病気は消化管ホルモンのガストリンを作り出す腫瘍が原因で起こる病気で、胃酸分泌が異常に高く出ます。診断には胃液分泌機能の検査と血中のガストリン検査が必要です。
胃液分泌機能検査の方法
検査は早朝の空腹時に行ないます。まず、口または鼻孔より胃ゾンデと呼ばれる細いチューブを胃の中まで挿入して胃の基礎分泌液を採取します。その後、胃液の分泌を盛んにするための刺激剤を投与して、約10分ごとに胃の刺激分泌液を採取して検査します。
胃液分泌機能検査の基準値(正常値)
pH値 | 1.5~2.0 |
---|---|
基礎分泌量 | 30~100ml/h |
最高分泌量 | 80~200ml/h |
基礎酸分泌量 | 0~8mEq/h |
最高酸分泌量 | 5~20mEq/h |
胃液の量が基準値より多ければ、胃と十二指腸とつながる部分である幽門の狭窄による胃の排泄障害が、胃液の量が少ない場合は、胃がんや慢性胃炎が考えられます。また、胃液が真っ黒の場合は胃がん、血が混じっている場合は、胃潰瘍が疑われます。採取した胃液が強い酸味の匂いを放っている場合は、胃潰瘍や胃炎、悪臭があれば胃がんや幽門狭窄が考えられます。
また、酸度テストで胃液酸分泌が上昇する場合は胃潰瘍、十二指腸潰瘍、ゾリンジャー・エリソン症候群が、低下する場合は、胃炎や悪性貧血が疑われます。
胃液分泌機能に異常があったら?
胃酸の分泌過剰の場合は、薬が処方されます。ゾリンジャー・エリソン症候群の場合は、原因となるガストリン分泌腫瘍を手術で摘出することが最良ですが、腫瘍が小さすぎて確認できないときは、プロトンポンプ阻害剤を用いて胃酸の分泌を抑える治療を行ないます。胃液の分泌機能が失われ、内因子の欠乏による悪性貧血がある場合はビタミンB12の投与が全身症状に効果を示します。
異常な場合に疑われる病気
ゾリンジャー・エリソン症候群、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、悪性貧血、幽門狭窄など
胃液分泌機能に関するQ&A
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