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2009年09月 アーカイブ

2009年09月24日

悪性腫瘍

増殖や転移を繰り返して、臓器や生命に重大な影響を与える腫瘍のこと。上皮細胞からなる癌と非上皮性細胞からなる肉腫に分類されます。

異型度

ある細胞の形が正常な細胞とどれだけ異なっているかを示す度合い。

遺伝子検査

遺伝子の異常を調べる検査です。がんに特徴的な遺伝子異常が存在する場合、極めて微量な試料からでも、特定のDNA断片(数百から数千塩基対)だけを選択的に増幅させることができます(PCR法)。この方法を用いて、診断時に迅速に遺伝子異常の有無を検査することができます。この方法も診断だけでなく、治療効果の判定に用いられます。

EBM

EBMは、Evidence-based medicineの略語で、直訳すると「科学的根拠に基づく医療」となります。科学的根拠(エビデンス)とは、人間を対象として行われた研究(臨床研究)で得られた結果を指します。また、科学的根拠に基づく医療の本質は、医療者の専門性と患者さんの希望とを総合して医療上の判断を行う考え方と定義されています。
科学的根拠の質には高い、低いといったレベルがあります。ランダム化比較試験の結果が最もエビデンスレベルが高いとされています。なお、ランダム化比較試験とは、多数の人を対象とし、比較したい治療法を確率的に割りあてて効果や安全性などを評価する臨床試験の方法です。

院内がん登録

医療施設における診療支援とがん診療の機能評価を第1の目的として実施するその施設におけるすべてのがん患者さんを対象とするがん登録のこと。各医療施設での登録の精度の高さは地域でまとめる情報の精度を左右することから、院内がん登録の整備は、地域がん登録にとって必要不可欠です。

インフォームド・コンセント

英語ではInformed Consentと書きます。以前は「説明と同意」と訳されていましたが、現在は、原語のまま用いられています。医師から充分な説明を受けた上で、患者さんがその内容を納得の上、診療を受けること。

エコー検査(超音波検査)

超音波を体の表面に当て、その超音波が体の中で反射する様子により、体の断面をみる検査。

エストロゲン

主に卵巣でつくられる女性ホルモン。乳がんや子宮がんに対して、がん細胞を増殖させる性質があります。一方、前立腺がんに対して、がん細胞の増殖を抑える作用があり、治療に用いられています。

X線検査(レントゲン検査)

X線が体を通過する際のX線の吸収の差によって、体の中の様子を調べる検査。

MRI検査

MRI(Magnet Resonance Imaging:磁気共鳴像)検査とは,巨大な磁石の中に入って体のさまざまな部分を撮影する検査。 ベッドに寝て穴の中に入り,FMラジオなどで用いられている電波を体に当てて,体の中の様子を画像化します。体のタテ,ヨコ,ナナメ,輪切りなどの鮮明な写真が得られ,診断に大変役に立つ検査です。放射線を使いませんので,被曝はありません。

遠隔転移

最初にできた病変(原発巣:げんぱつそう)から遠く離れた部位にとんで増殖すること。

化学療法

化学物質(抗がん剤)を用いて、細菌やウイルスなどの病原微生物を攻撃したり、がん細胞などの増殖を抑える治療法。

科学的根拠に基づく医療(EBM)

EBMは、Evidence-based medicineの略語で、直訳すると「科学的根拠に基づく医療」となります。科学的根拠(エビデンス)とは、人間を対象として行われた研究(臨床研究)で得られた結果を指します。また、科学的根拠に基づく医療の本質は、医療者の専門性と患者さんの希望とを総合して医療上の判断を行う考え方と定義されています。
科学的根拠の質には高い、低いといったレベルがあります。ランダム化比較試験の結果が最もエビデンスレベルが高いとされています。なお、ランダム化比較試験とは、多数の人を対象とし、比較したい治療法を確率的に割りあてて効果や安全性などを評価する臨床試験の方法です。

顆粒球

白血球の成分で、細胞のなかに殺菌作用のある成分を含んだ「顆粒」を持っています。好中球、好酸球、そして好塩基球の3種類に分けられます。

寛解

病変(がん)が縮小や消失する状態のこと。部分寛解と完全寛解があります。

完全寛解

すべての病変(がん)が消失し、新たながんが出現していない状態が続いていること。

感染症

微生物が体内に入り、共存することを「感染」と呼びます。ヒトの体には生来、無数の微生物がすみついていますが体に影響はありません。ところが、毒性の強い微生物が身体の中に進入し増殖した場合には、ヒトの身体に重大な症状を引き起こすことがあります。この状態を「感染症」といいます。また、免疫力の低下した状態では、毒性の弱い微生物でも感染症が起こりえます(=日和見感染症)。感染症の症状は、感染した微生物や臓器によってさまざまです。

2009年09月25日

眼底検査

特殊な装置で眼底、つまり眼の奥を観察する検査。

がん登録

がん患者さんについて、診断、治療およびその後の転帰に関する情報を収集し、保管、整理、解析する仕組みのこと。 患者さんとその家族、主治医、医療機関に、何らかの危険・不利益が及ぶことがないように、従事する職員には厳密な守秘義務が課せられるなど、さまざまな安全保護対策が講じられています。

がん取扱い規約

日本で編集されている規約で、がんを取り扱う臨床医や病理医に欠かせない基本的知識と約束事をまとめた小冊子。臓器別に国内の学会や研究会によって編集され、数年おきに改訂。病期分類には取り扱い規約分類を用いる部位もあります。現在は主要ながんについて、20を超える取扱規約が作成されています。

緩和ケア

がんに伴う体や心の問題を、単に病気に対する医療としてだけではなく、社会生活などまで含めて全体的に個々の患者さんを支えるという医療のあり方。

抗がん剤治療や手術など積極的な治療を行うと、かえって寿命が短くなると予想される場合、がんによる症状を緩和する医療「緩和ケア」が適しています。

特に痛みについては、うまく管理できていれば生活の質は著しく良くなり、全身状態が改善することもあります。

気管支鏡検査

気管支鏡あるいはファイバースコープと呼ばれる特殊な内視鏡を鼻または口から入れて、喉から気管や気管支の中を観察する検査。

QOL

quality of life の略で、治療を受ける患者さんの肉体的、精神的、社会的、経済的、すべてを含めた生活の質を意味しています。

胸腔鏡検査

胸に穴をあけて、そこから内視鏡を入れて、観察する検査。

局所療法

病変(がん)の部分に行われる治療。外科療法、放射線療法などがあります。

均てん化

均霑化(生物がひとしく雨露の恵みにうるおうように、の意)。全国どこでもがんの標準的な専門医療を受けられるよう、医療技術等の格差の是正を図ること。

グリーソンスコア

米国の病理医、ドナルド・グリーソンが提唱した前立腺がんの悪性度の分類法。顕微鏡で見た前立腺がんを細胞の並び方のおとなしいものから悪いものまで5段階(パターン)に分け、1番広い面積を占めるものを第1成分、2番目に広い面積のものを第2成分とし、(第1成分)+(第2成分)=グリーソンスコアとする。細胞の並び方で3のパターンが一番多く、次が4のパターンであれば、3+4=7となる。グリーソンスコアが6以下はおとなしいがん、7は中くらい、8以上はかなり悪性度が高いと考えられている。

血管造影

血管にカテーテルと呼ばれる細い管を入れて、その管から造影剤と呼ばれる薬を流しながらX線装置を使って撮影し、血管の形や血液の流れを調べる検査。

血算

血液細胞の数を数え、その形(形態)を観察し、診断に役立てる検査のこと。最近では白血球、赤血球、血小板の大きさ、容積、数だけでなく、その形態も自動的に機械で判定することができるようになりましたが、詳細に形態の観察や白血球の割合を調べるためには、スライドガラスに血液を薄く塗った標本をつくり、その標本を染色して顕微鏡で観察します。しかし、これだけでは病気を診断することは難しく、いろいろな検査を組み合わせて診断を確定し、病態を評価します。

血小板

血液中の血液細胞の1種類であり、出血を止める役割があります。何らかの原因により血管が破れ、血液が流れ、出血することがあります。その場合、血小板が破れた部位に付着します(粘着反応)。 するとその血小板から仲間を呼ぶ物質が放出され(放出反応)、まわりの血小板がどんどん集まってきます(凝集反応)。その結果、血栓(かさぶたのようなもの)がつくられ、血液の流出が食い止められます。

血小板減少

抗がん剤や放射線による治療では、骨髄の血液細胞をつくる働きが低下し、骨髄抑制が起こり、血小板が減少し、その結果、出血が起こりやすくなります。極端に血小板が減少すると、血小板数が血液1μlあたり10万個以下になると出血しやすくなりますが、2万個未満になると、脳出血や消化管出血などの重篤な出血を起こす危険が増してきます。具体的に出血とは、体をほんの少しぶつける、あるいは皮膚を強くこするだけで皮下に出血する、鼻を強くかむと鼻血が出る、歯ブラシで強く歯肉をこすると出血する、かたい便をすると肛門から出血するなどの症状をいいます。血小板が著しく減少して出血の危険が高い場合に、予防的に血小板輸血が行われます。

血中濃度

薬の血液中の濃度。

血液

血管の中を流れて全身の細胞に酸素や栄養分を運ぶ重要な役割を担っています。赤血球、白血球、血小板などの血液細胞(血球)と、血漿(けっしょう)と呼ばれる液体成分があります。

血液検査(血算)

血液細胞の数を数え、その形(形態)を観察し、診断に役立てる検査のこと。最近では白血球、赤血球、血小板の大きさ、容積、数だけでなく、その形態も自動的に機械で判定することができるようになりましたが、詳細に形態の観察や白血球の割合を調べるためには、スライドガラスに血液を薄く塗った標本をつくり、その標本を染色して顕微鏡で観察します。しかし、これだけでは病気を診断することは難しく、いろいろな検査を組み合わせて診断を確定し、病態を評価します。

原発巣

最初にがんが発生したその病変のこと。

抗がん剤

がん細胞の増殖を妨げたり、がん細胞の死滅を促したりする作用をもった薬。錠剤やカプセル剤といった内服薬(飲み薬)と、点滴のように血管へ直接投与する注射薬があります。

好中球

白血球の中の顆粒球の1種であり、白血球全体の約45~75%を占め、強い貪食(どんしょく)能力を持ち、細菌や真菌感染から体を守る主要な防御機構となっています。

骨シンチグラフィー

弱い放射線を出す薬を注射し、骨の病変(骨転移)などを調べる検査。

2009年09月26日

骨髄

血液細胞(白血球、赤血球、血小板)をつくる「工場」です。すべての骨の中にあり、そこにはいろいろな成熟(成長)段階の血液細胞が認められます。骨髄には造血幹細胞と呼ばれるすべての血液細胞に成長でき、かつ自分自身も複製することができる“血液の種”のような細胞があり、この細胞からすべての血球がつくられます。また、充分に成熟した血液細胞(完成品)は、骨髄(工場)から血液中に流出していきますが、未熟な細胞は、通常、骨髄の外へ出て行きません。

骨髄検査(骨髄穿刺)

胸骨、もしくは腰にある腸骨に針を刺して、骨の中にある骨髄組織をとる検査です。穿刺吸引法(せんしきゅういんほう)と針生検法(はりせいけんほう)があります。穿刺吸引法は、胸骨もしくは腸骨から注射器で骨の中の骨髄組織を吸引する方法です。針生検法では、腸骨に太めの針を刺し、骨髄組織を針の中に捉えて一部を採取します。採取した骨髄はスライドガラス上に薄く広げて染色した後、顕微鏡で観察します。これにより、造血機能や血液疾患の原因、さらに腫瘍細胞の有無などが明確になるため、血液疾患の診断や治療法の選択・治療効果の判定において重要な検査です。

骨髄抑制

抗がん剤の副作用の1つで、血液細胞をつくる働きを低下させること。白血球が減ったり(白血球減少)、赤血球が減ったり(貧血)、血小板が減ったり(血小板減少)、また、それぞれに応じた症状が出現します。

5年相対生存率

あるがんと診断された場合に、治療でどのくらい生命を救えるかを示す指標。あるがんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体*で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかで表します。100%に近いほど治療で生命を救えるがん、0%に近いほど治療で生命を救い難いがんであることを意味します。*正確には、性別、生まれた年、および年齢の分布を同じくする日本人集団。

コルポスコープ診

子宮の入り口(頸部)の粘膜の表面を拡大し、細かい部分を観察する検査。

根治手術

完全に治すことを期待して行う手術のこと。

再建手術

手術後の機能の障害や形の変形を、修復する手術。

再燃

病気の進行が止まっていた、または、軽快していたが、再び進行し始めること。

再発

治ったと思われていたがんが、再び出現すること。

細胞診検査

顕微鏡で病変の細胞を調べる検査。

細胞表面マーカー検査

細胞の表面の抗原(細胞の起源・性格を示すいろいろな目印、蛋白質などの物質からなる)を解析する方法で、フローサイトメトリーという機器を使用します。血液、骨髄血、リンパ節からとったいずれの細胞でも検査可能です。この検査により、顕微鏡で観察しただけでは判断がつかない腫瘍細胞のタイプをその日のうちに見分けることが可能になります。また、治療後に少量のがん細胞が残っているかどうかの判断にも利用できます。

支持療法

病気そのものに伴う症状や治療による副作用に対して、防いだり、軽減させる治療。

実測生存率

死因に関係なく、すべての死亡を計算に含めた生存率。がん以外の死因による死亡も含まれます。がん以外の死因で死亡する可能性に強く影響しうる要因(性、年齢など)が異なる集団で生存率を比較する場合には、がん以外の死因により死亡する確率が異なる影響を補正する必要があります。がんによる生命損失をみるために、がん以外の死因による影響を考慮して集計する方法が、補正生存率、相対生存率です。

CT検査

CTとはComputed Tomographyの略で、体の周囲からX線を当てて、体の断面図を撮影する検査のこと。体を輪切りにしたような画像をコンピューターで作り出しているため、病変の形や特徴を詳細に観察できます。

2009年09月27日

死亡率

ある集団に属する人のうち、一定期間中に死亡した人の割合。日本人全体の死亡率の場合、通常1年単位で算出され、「人口10万人のうち何人死亡したか」で表現されます。200X年の死亡率(粗死亡率)= 200X年に死亡した日本人の数/200X年の日本人人口 × 100000 死亡率と混同されやすい用語に「致命率」があります。これは、ある病気になった人のうち、その病気が原因で死亡した人の割合です。

縦隔鏡検査

首のつけ根の皮膚に切り込みを入れて、縦隔鏡と呼ばれる筒状の器具を入れて、2つの肺の間(縦隔)を直接見て観察する検査。

重複がん(多重がん)

同じ人に発生する異なるがんのこと。別の部位に別のがんが発生したとみなされるのでがん罹患数では別々に集計。

2009年09月28日

術後補助療法

再発や転移の予防を目的として、手術後に行われる化学療法や放射線療法のこと。

腫瘍

細胞が異常に増殖したもの。組織の働きに障害を及ぼす悪性腫瘍と、致命的な性質を持たない良性腫瘍がある。

腫瘍崩壊症候群(腫瘍融解症候群)

抗がん剤や放射線による治療によって、大量のがん細胞が短期間で壊される場合があります。その場合に、がん細胞の「死がい」(成分)により、高尿酸血症、高リン酸血症、低カルシウム血症、代謝性アシドーシス(血液が酸性になること)、高カリウム血症、腎不全、呼吸不全などのいろいろな症状を生じます。これを腫瘍崩壊症候群といいます。補液や適切な薬剤の投与で予防もしくは対処しますが、重篤な場合、血液透析などの血液浄化療法を必要とすることがあります。

腫瘍マーカー

腫瘍が作り出す特殊な物質のうち、体液中(主として血液中)で測定できるもの。腫瘍の状態の目安として使われます。

腫瘤

病的な細胞や組織が集団となってできた比較的大きな半球状の盛り上がり(こぶ、固まり)のこと。腫瘍性のものや炎症性のものがある。一般に直径2センチ以上の大きさのものを指し、これより小さなものは結節と呼ばれる。

上皮内がん

上皮内腫瘍とも呼ばれ、以前は、上皮内癌 carcinoma in situ と呼ばれていたもの。上皮細胞と間質細胞(組織)を隔てる膜(基底膜)を破って浸潤(しんじゅん)していない腫瘍(癌)。浸潤していないので、切除すれば治ります。上皮内癌が最もよく観察されている子宮頸部では、前癌病変の異形成と上皮内癌はしばしば共存し、両者の間は必ずしも明瞭な区別がつけられないため、これらを連続した一連の病変としてとらえ、子宮頸部上皮内腫瘍(cervical intraepithelial neoplasia, CIN)と呼んでいます。

浸潤

がん細胞が周囲にしみ出るように拡がること。

シンチグラム

弱い放射線を出す薬を注射し、病変を調べる検査。

心電図

心臓の活動で起こる電気の様子をグラフの形に記録する検査。

2009年09月29日

診療ガイドライン

診療ガイドラインは、系統的に収集して整理した診療に関する情報や検討結果を参照しやすい形にまとめたものです。ある状態の一般的な患者さんを想定して、適切に診療上の意志決定を行えるように支援することを目的としています。

髄液(脳脊髄液)

脳と脊髄(背骨の中にある太い神経の束)、そしてこれらを包んでいる膜(硬膜)の間を流れる無色透明な液体です。脳室(脳のなかの空洞)でつくられ、循環し、脳の表面にあるクモ膜顆粒で吸収されて静脈に戻ります。役割は明らかではありませんが、主に脳の水分含有量を調節し、形を保つ役割をしていると考えられています。

髄液検査(腰椎穿刺)

脳脊髄液を採取する検査。通常、体を海老のように丸めて横向きになり、背骨の間に針を刺し、脊髄腔(骨髄と硬膜の間の空間)に針を進めて5~10ccの脳脊髄液を採取します。採取した脳脊髄液を用いて、その中に含まれる蛋白質や糖の量、細胞の数や形態を検査します。

ステージ(病期)

病期分類ともいい、癌の大きさや他の臓器への広がり方で癌を分類し、がんの進行の程度を判定するための基準。がんの治療法を選ぶために判定したり、5年生存率を出すときの区分として用いたりします。

ストーマ

自然の排泄経路以外に設けた排泄口のこと。人工肛門や人工尿路などがあります。

生検

病変の一部(組織)を切り取り、顕微鏡で調べる検査。

生存率

診断から一定期間後に生存している確率。通常は、百分比(%)で示されます。がん患者さんの生存率は、がん患者さんの治療効果を判定する最も重要かつ客観的な指標です。診断からの期間によって、生存率は異なってきます。部位別生存率を比較する場合やがんの治療成績を表す指標として、5年生存率がよく用いられています。また、がんは、治療などで一時的に消失して治ったように見えても再発してくる場合がありますが、治療後5年間に再発がなければその後の再発はまれであるため、便宜上5年生存率を治癒率の目安としています。目的に応じて、1年、2年、3年、5年、10年生存率が用いられます。生存率は、計算する対象の特性(性別や年齢)、進行度(早期のがんか進行したがんか)や、計算する対象の選び方(外来患者さんを含めるか、入院患者さんだけか、来院した患者さんをすべて含んでいるかなど)に大きく影響を受けます。そのため、複数の施設(病院)を比較したり、いくつかの部位を比較する場合は、どのような対象について生存率を計算しているか注意する必要があります。

セカンドオピニオン

診断や治療方法について、主治医以外の医師の意見を聞くこと。

脊髄

背骨の中にある太い神経の束のことであり、脳と体を結んでいます。

赤血球

血液中の血液細胞の1種であり、主な役割は、酸素を全身に運ぶことです。赤血球中にはヘモグロビン(血色素)と呼ばれる蛋白質があり、ここに酸素を結合させて運んでいます。赤血球は骨髄で作られ、血管のなかで約120日間働いた後、肝臓や脾臓で壊されます。

全国臓器別がん登録

大学と主要な医療施設が参加し、学会・研究会が中心となって、臓器別に全国規模で実施されているがん登録のこと。がんの臨床病理学的特徴と進行度の正確な把握に基づく適切な治療指針の確立、進行度分類のあり方などを検討することを目的としています。

染色体

染色体は、遺伝情報を担う物質で細胞のなかにあります。ヒトは、男女共通の常染色体44本(22対:1番から22番と番号が付いています)と、男女の性を決定する性染色体2本(XXまたはXY)合わせて46本の染色体をもっています。46,XXは女性で、46,XYは男性です。

染色体検査

染色体の数と形態(構造)異常の検索をする検査。採取した細胞を分裂させ、そこで出てくる染色体を固定して検査をします。しかし、個々の染色体を同定するには、染色体を適切に染色(分染)して得られるバンドのパターンを比較すること(G分染法)が必要です。最近ではすべての染色体を色分けしていて、正確に検査ができる「SKY法」も開発されています。

先進医療制度

先進医療制度とは、厚生労働大臣が「先進医療」として定める保険適用外の医療と「保険診療」との併用を認める制度です。現在の日本の医療制度では保険診療と保険適用外の診療の併用は認めていないため、部分的に保険適用外の診療を受ける場合には、通常は保険適用となる部分も含めて全額自己負担となることが原則ですが、その例外を定める制度です。
先進医療制度に基づく診療では、「通常の治療」と共通する部分の費用 については、一般の保険診療と同様に扱われ、「先進医療に係る費用」については、全額患者さんの自己負担となります。

全身療法

病変(がん)の部分のみではなく、全身に対する治療。薬物療法などです。

造血幹細胞

骨の中の骨髄にある血液の源となる細胞。この細胞はあらゆる血液細胞のもとになるのと同時に、この細胞自身も自分のコピーを造ることができます。

相対生存率

生存率を計算する対象者と同じ特性(性、年齢、暦年、地域など)を持つ一般集団の期待生存確率より算出した期待生存率で実測生存率を割ることによって、その影響を補正する方法。対象者と同じ特性を持つ一般の集団(一般の日本国民)の期待生存率は、国立がんセンターが計算して公表しているコホート生存率表を利用して求めます。相対生存率は、対象疾患(例えば胃がんや肺がんなど)以外による死亡を補正する方法として広く用いられています。この方法は、死因について正確な情報がない場合にも、用いることができます。

2009年09月30日

組織診検査

顕微鏡で病変の一部(組織)を調べる検査。

粗死亡率

一定期間の死亡数を単純にその期間の人口で割った死亡率で、年齢調整をしていない死亡率という意味で「粗」という語が付いています。日本人全体の死亡率の場合、通常1年単位で算出され、「人口10万人のうち何人死亡したか」で表現されます。年齢構成の異なる集団間で比較する場合や同一集団の年次推移を見る場合には、年齢構成の影響を除去した死亡率(年齢調整死亡率など)が用いられます。

粗罹患率

一定期間の罹患数(ある病気と新たに診断された数)を単純にその期間の人口で割った罹患率で、年齢調整をしていない罹患率という意味で「粗」という語が付いています。日本人全体の罹患率の場合、通常1年単位で算出され、「人口10万人のうち何例罹患したか」で表現されます。年齢構成の異なる集団間で比較する場合や同一集団の年次推移を見る場合には、年齢構成の影響を除去した罹患率(年齢調整罹患率など)が用いられます。

対症療法

病気そのものに対する治療ではなく、病気に伴う症状をやわらげる治療法。原因療法に対比する言葉。

多剤併用療法

いくつかの抗がん剤を組み合わせて用いる治療。

多発がん

同じ部位に、同じようながんが多発すること。腫瘍の数に関係なく、1つのがんと集計。

単球

白血球の成分の1種であり、白血球の3~8%を占め、感染に対する防衛の開始に重要な細胞です。細菌などの異物を細胞内に取り込み、消化し、異物の一部を細胞表面に提示します(抗原提示)。これをT細胞が認識して、体の防衛が開始されます。単球は血管外の組織に移動すると、マクロファージ(大食細胞)と名前を変えます。

地域がん登録

特定の地域に居住する住民に発生したすべてのがん患者さんを対象とするがん登録のこと。対象地域における各種がん統計値(罹患数・率、受療状況、生存率)の整備を第1の目的としています。対がん活動の一環として、現時点で日本では34道府県市で実施されています。

致命率

ある病気と診断された人のうち、その病気で死亡した人の割合。致命率が高い病気ほど命にかかわる病気だということになります。

超音波検査(エコー検査)

超音波を体の表面に当て、その超音波が体の中で反射する様子により、体の断面をみる検査。

直腸診

肛門から直腸へ指を入れて、診察をする方法。

TNM分類

治療をする際の目安とするために、そのがんがどれくらい進んだものか(病期)でがんを分類する方法。「TNM分類」の「T」というのは原発のがんの広がり(深達度など)を、「N」はがん細胞のリンパ節への転移の有無と広がり、「M」は原発から離れた臓器への遠隔転移を意味します。

テストステロン

主に精巣でつくられる男性ホルモン。前立腺がんに対して、がん細胞を増殖させる性質があります。

転移

癌(がん)などの悪性腫瘍の細胞が、血液やリンパ管を介して、身体のあちこちに移動し、そこで細胞分裂を繰り返し増殖すること。

内視鏡検査

光を通す細い管を入れて、体の内部をみる検査。

内分泌療法(ホルモン療法)

がん細胞の増殖にホルモンが影響している乳がん、子宮内膜がん、前立腺がんでは、ホルモンを分泌している部分を手術でとり除いたり、反対の作用のホルモンを投与したりして、がん細胞の増殖を抑える治療。

About 2009年09月

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