肉腫
筋肉、骨、神経などの非上皮性細胞から発生する悪性の腫瘍。
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筋肉、骨、神経などの非上皮性細胞から発生する悪性の腫瘍。
抗がん剤や放射線による正常細胞の障害のために、治療を終えた数年から数十年後にもとの病気とは別の種類のがんや白血病を生じること。
年齢階級別に算出した死亡率。通例、5歳階級ごとに(85歳以上はまとめる)算出され、例えば「40歳~44歳人口10万人のうち何人死亡したか」で表現されます。がんは年齢層によって死亡率が大きく異なり、多くの部位のがんは高齢ほど死亡率が高くなりますが、部位によっては若年層で死亡率が高くなるがんもあります。年齢調整死亡率は年齢構成の違いを除去した死亡率ですが、集団全体の死亡率のため、異なる年齢層間の死亡率の違いはわかりません。そこで、年齢層ごとの死亡率を見るために年齢階級別死亡率が用いられます。200X年の40~44歳の死亡率 = 200X年に40~44歳で死亡した数/200X年の40~45歳の人口 × 100000
年齢階級別に算出した罹患率。通例、5歳階級ごとに(85歳以上はまとめる)算出され、例えば「40~44歳人口10万人のうち何人罹患したか」で表現されます。がんは年齢層によって罹患率が大きく異なり、多くの部位のがんは高齢ほど罹患率が高くなりますが、部位によっては若年層で罹患率が高くなるがんもあります。年齢調整罹患率は年齢構成の違いを除去した罹患率ですが、集団全体の罹患率のため、異なる年齢層間の罹患率の違いはわかりません。そこで、年齢層ごとの罹患率を見るために年齢階級別死亡率が用いられます。200X年の40~44歳の罹患率 = 200X年に40~44歳で罹患した数/200Xの40~45歳の人口 × 100000
もし人口構成が基準人口と同じだったら実現されたであろう死亡率のこと。がんは高齢になるほど死亡率が高くなるため、高齢者が多い集団は高齢者が少ない集団よりがんの粗死亡率が高くなります。そのため仮に2つの集団の粗死亡率に差があっても、その差が真の死亡率の差なのか、単に年齢構成の違いによる差なのか区別がつきません。そこで、年齢構成が異なる集団の間で死亡率を比較する場合や、同じ集団で死亡率の年次推移を見る場合にこの年齢調整死亡率が用いられます。年齢調整死亡率は、集団全体の死亡率を、基準となる集団の年齢構成(基準人口)に合わせた形で求められます。基準人口として、国内では通例昭和60年(1985年)モデル人口(昭和60年人口をベースに作られた仮想人口モデル)が用いられ、国際比較などでは世界人口が用いられます。年齢調整死亡率は、基準人口として何を用いるかによって値が変わります。年齢調整死亡率は、比較的人口規模が大きく、かつ年齢階級別死亡率のデータが得られる場合に用いられます(標準化死亡比参照)。年齢調整死亡率={[基準人口(昭和60年モデル人口)観察集団の各年齢(年齢階級)の死亡率×基準人口集団のその年齢(年齢階級)の人口]の各年齢(年齢階級)}の総和/基準人口集団の総人口(通例人口10万人当たりで表示)
もし人口構成が基準人口と同じだったら実現されたであろう罹患率。がんは高齢になるほど罹患率が高くなりますので、高齢者が多い集団は高齢者が少ない集団よりがんの粗罹患率が高くなります。そのため、仮に2つの集団の粗罹患率に差があっても、その差が真の罹患率の差なのか、単に年齢構成の違いによる差なのかの区別がつきません。そこで、年齢構成が異なる集団の間で罹患率を比較する場合や、同じ集団で罹患率の年次推移を見る場合に年齢調整罹患率が用いられます。年齢調整罹患率は、集団全体の罹患率を、基準となる集団の年齢構成(基準人口)に合わせた形で求められます。基準人口として、国内では通例昭和60年(1985年)モデル人口(昭和60年人口をベースに作られた仮想人口モデル)が用いられ、国際比較などでは世界人口が用いられます。年齢調整罹患率は、基準人口として何を用いるかによって値が変わります。年齢調整罹患率は、比較的人口規模が大きく、かつ年齢階級別罹患率のデータが得られる場合に用いられます(標準化罹患比参照)。年齢調整罹患率={[基準人口(昭和60年モデル人口)観察集団の各年齢(年齢階級)の罹患率×基準人口集団のその年齢(年齢階級)の人口]の各年齢(年齢階級)}の総和/基準人口集団の総人口(通例人口10万人当たりで表示)
脳と脊髄(背骨の中にある太い神経の束)、そしてこれらを包んでいる膜(硬膜)の間を流れる無色透明な液体です。脳室(脳のなかの空洞)でつくられ、循環し、脳の表面にあるクモ膜顆粒で吸収されて静脈に戻ります。役割は明らかではありませんが、主に脳の水分含有量を調節し、形を保つ役割をしていると考えられています。
体の中にがん細胞が種をまいたようにバラバラと拡がること。
血液中の血液細胞の1種であり、細菌、ウイルス、真菌(カビ)といった外敵やがんから身体を守る働きをしています。顆粒球、単球、リンパ球などの種類があります。
抗がん剤や放射線による治療では、骨髄の血液細胞をつくる働きが低下し、白血球(=顆粒球)が減少します。白血球(=顆粒球)が減少すると、病原体(細菌、真菌(カビ)など)に感染しやすくなります。特に、好中数が血液1μlあたり1000個未満になると感染のリスクが高くなり、500個未満になるとそのリスクは大幅に上昇します極端に減少すると、感染のリスクが高まります。このようなときには、手洗いうがいを励行し、抗生剤や抗真菌剤を予防的に内服して対処します。また、好中球を増加させる顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を治療後に投与することがあります。
お腹の左上に位置するこぶし大の臓器です。血液のなかを流れる細胞や、年老いた血球を除去するフィルターのような役割をします。また、免疫器官としても重要な役割を担っています。
ステージともいい、癌の大きさや他の臓器への広がり方で癌を分類し、がんの進行の程度を判定するための基準。がんの治療法を選ぶために判定したり、5年生存率を出すときの区分として用いたりします。
人口構成の違いを除去して死亡率を比較するための指標。ある集団の死亡率が、基準となる集団と比べてどのくらい高いかを示す比と理解することができ、ある集団で実際に観察された死亡数が、もしその集団の死亡率が基準となる集団の死亡率と同じだった場合に予想される死亡数(期待死亡数)の何倍であるか、という形で求められます。年齢調整死亡率の算出には年齢階級別死亡率が必要ですが、そのようなデータが得られない場合や、人口規模の小さい集団で年齢階級別死亡率の偶然変動が大きい場合の年齢調整の手法として、用いられます。日本の都道府県比較の場合、基準となる集団の死亡率として通例全国値が用いられ、標準化死亡比が1より大きい都道府県は全国平均より死亡率が高く、1より小さい場合は全国平均より死亡率が低いことを意味します。標準化死亡比(SMR) = 観察集団の実際の死亡数/(基準となる集団の年齢階級別死亡率×観察集団の年齢階級別人口)の総和
日本で通常用いられる「1985年日本人モデル人口」で、1985年(昭和60年)の日本人人口に基づいて作成されたもの。罹患率の国際比較では、「Dollらの世界人口」という標準人口が用いられます。日本人モデル人口は、世界人口よりも、高齢者の割合が大きい年齢構成ですので、年齢調整率は、日本人モデル人口を用いたほうが、世界人口よりも高くなります。
標準治療とは、科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療をいいます。
一方、推奨される治療という意味ではなく、一般的に広く行われている治療という意味で「標準治療」という言葉が使われることもあります。どちらの意味で使われているか注意する必要があります。
なお、医療において、「最先端の治療」が最も優れているとは限りません。最先端の治療は、開発中の試験的な治療として、その効果や副作用などを調べる臨床試験で評価され、それまでの標準治療より優れていることが証明され推奨されれば、その治療が新たな「標準治療」となります。
病変の一部(組織)や細胞を薄く切り出して、顕微鏡で調べる検査。組織診検査と細胞診検査が含まれます。
健康な人には害のないような弱い細菌や真菌、ウイルスなどにより感染し、症状がでること。重度の免疫機能が低下している造血幹細胞移植をした患者さんや血液疾患の患者さんなどに起こりやすいです。
赤血球の数が減少したり、酸素を運ぶ能力が低下した状態です。抗がん剤や放射線による治療では、骨髄の血液細胞をつくる働きが低下して、貧血を生じます。しかし、赤血球の寿命は120日と長いため、貧血の症状は治療1~2週間後より徐々に出現してきます。貧血による症状がつらかったり、症状がなくともヘモグロビンの値が一定の値以下になれば、赤血球輸血が行われます。
薬の作用の中で、治療に必要なもの以外の作用を副作用といいます。あらゆる薬に程度の差こそあれ、副作用は必ず存在します。抗がん剤を用いた化学療法では、がん細胞を抑える作用以外の作用が副作用となります。用いる抗がん剤の種類や投与量によって起こりやすい副作用が異なります。一時的な副作用としては骨髄抑制、口内炎、嘔気、下痢、脱毛などがあります。一部には、元の状態に回復しない副作用もあり、また、治療が終わって長い時間がたってから起こる、不妊や二次性発がんなどの副作用もあります。
PET検査は、ポジトロン(陽電子:プラスの電気を帯びた電子)を放出する薬剤を注射して特殊な装置で体内から180度反対の方向に放出される放射線を計測して、断層画像を作成する検査です。PET検査では、腫瘍の活動の状態を調べることができ、転移・再発の検索、良悪性や治療効果の判定等に有用です。
胃や小腸に炎症及び潰瘍を起こす細菌。また、胃がんやリンパ腫の発生に強く関連していると考えられている。
内視鏡を尿道から膀胱まで入れて、膀胱の内部を観察する検査。
病変(がん)に治療用の放射線を当てて、がん細胞を死滅させる治療。
がん細胞の増殖にホルモンが影響している乳がん、子宮内膜がん、前立腺がんでは、ホルモンを分泌している部分を手術でとり除いたり、反対の作用のホルモンを投与したりして、がん細胞の増殖を抑える治療。
薬が効きにくい状態になること。
1933年に結成された民間組織で、がん克服のために国際的に連帯し運動。がん研究や対がん事業の振興、がん知識の普及、フェローシップの運営、国際的統計の作成、世界共通のがん診断法や分類法の設定など、さまざまな活動を展開。UICCのがん分類は国際的標準として利用されています。近年では、活動の中心に対がん事業を置き、学会等を通じて人々に働きかけています。
ある一時点での特定の疾患(がん全体や、胃がん・肺がんなどの特定のがん、循環器疾患など)の全患者数のこと。例えば、「2005年1月時点の日本のがんの有病者数」=「2005年1月での日本全国の全てのがん患者さんの数」のこと。
ある一時点で、特定の疾患(がん全体や、胃がん・肺がんなどの特定のがん、循環器疾患など)の全患者さんの数を、その時点でその疾患を患う可能性のある人口で割ったもの。例えば、「2005年1月時点の日本のがんの有病者率」=「2005年1月での日本全国のすべてのがん患者数(有病者数)」/「2005年1月の日本の総人口」のことです。
脳脊髄液を採取する検査。通常、体を海老のように丸めて横向きになり、背骨の間に針を刺し、脊髄腔(骨髄と硬膜の間の空間)に針を進めて5~10ccの脳脊髄液を採取します。採取した脳脊髄液を用いて、その中に含まれる蛋白質や糖の量、細胞の数や形態を検査します。
病気の経過についての見通し、または病気の推移のこと。生命に関すること、回復の時期、後遺症などが含まれる。
院内がん登録や地域がん登録にすでに登録されている患者さんの生存率計算のために確認するべき登録患者さんの生死状況の調査。生存確認調査、追跡調査ともいいます。院内がん登録に登録された患者さんの生死状況の一部は、その施設を最後に受診した日やその施設で亡くなった日からある程度把握できますが、それで全員の状況が確認できるわけではなく、地域がん登録への問い合わせや、役場照会(住民票照会)によって網羅できます。地域がん登録に登録された患者さんの生死状況の確認のための予後調査(生存確認調査、追跡調査)も、同じく役場照会(住民票照会)によって得られます。また、地域がん登録では、人口動態死亡情報を利用して予後調査(生存確認調査、追跡調査)を行っているところもあります。しかし、現在、すべての施設(病院)や地域がん登録で予後調査(生存確認調査、追跡調査)を行っているわけではありません。
対象とする人口集団から、一定の期間に、新たにがんと診断された数。対象とする人口集団:人口の大きさを計測することができる集団であることが必須条件。そのため、都道府県・市区町村などを単位とすることがほとんどです。一定の期間:通常は、年単位(年度ではありません)。罹患数が少ない場合(発生がまれな部位、人口規模が小さい場合、など)では、偶然変動による影響を抑えるために、複数年のデータをあわせて集計する場合もよくあります。がんの数:がんと診断された患者の数ではなく、同じ人に複数のがん(多重がん)が診断された場合には、それぞれの診断年で、集計に含まれます。
ある集団で新たに診断されたがんの数を、その集団のその期間の人口で割った値。通常1年単位で算出され、「人口10万人のうち何例罹患したか」で表現されます。200X年の罹患率(粗罹患率)= 200X年に新たに診断されたがんの数/200X年の人口 × 100000 罹患率と混同されやすい用語に「有病率」があります。これはある時点のある病気の患者数を人口で割った値です。
増殖が緩やかで、転移することがなく、臓器や生命に重大な影響を及ぼすことのない腫瘍。
現在標準的に行われている治療よりも、より良い治療法を確立することを目的として、患者さんに協力していただき、新しく考案された治療法や新しい薬が病気に対して有効かどうか、また安全かどうかについて調べる試験のこと。臨床試験の中で、厚生労働省より新しい薬としての承認を得ることを目的として、まだ承認されていない薬を用いて実施する試験のことを治験と言います。
地域がん登録では、がんと診断された時点における病巣の広がりを、上皮内がん(がんが表層にとどまり、他臓器へ浸潤・転移する可能性のないもの)、限局(がんが原発臓器に限局しているもの)、所属リンパ節転移(原発臓器の所属リンパ節への転移を伴うが、隣接臓器への浸潤がないもの)、隣接臓器浸潤(隣接する臓器に直接浸潤しているが、遠隔転移がないもの)、遠隔転移(遠隔臓器、遠隔リンパ節などに転移・浸潤があるもの)に分類。所属リンパ節転移と隣接臓器浸潤とをあわせて、限局、領域浸潤、遠隔転移の3群で比較する場合もあります。
白血球の成分の1種であり、白血球の約25%を占め、顆粒球とは違い、チームを作ってウイルスなどの外敵や腫瘍などの異物を攻撃します。さらに、体内に侵入した異物を記憶し、それが再び侵入してきたときには、記憶に基づいてすばやく対応し、排除する働きを持っています。
体全体にある免疫器官のひとつです。免疫とは、「疫病(病気)を免れる」ことを意味することばで、自分の体の外から入ってきた細菌やウイルスなどの敵(非自己)や変質した自分の細胞(腫瘍細胞など)を攻撃・排除する働きのことです。リンパ節は、全身の組織から集まったリンパ液が流れるリンパ管の途中にあり、細菌、ウイルス、腫瘍細胞などをチェックし、免疫応答を発動する「関所」のような機能を持ちます。リンパ節は、1~25mmの大きさで、なかには免疫担当細胞であるリンパ球が集まっています。リンパ節が腫脹(腫れて大きくなること)する原因としては、感染症、免疫・アレルギー異常、血液のがん、その他のがんの転移などがあります。
病変(がん)の近くのリンパ節を取り除くこと。
リンパ節が腫れている場合に、その原因を調べるためにリンパ節を丸ごと、もしくは一部を取り出す検査。局所麻酔で行われることが多いですが、リンパ節の腫れている場所によっては、全身麻酔が必要な場合もあります。リンパ節が腫れる原因には炎症(感染症など)、がん(転移や悪性リンパ腫)などさまざまな原因がありますので、取り出したリンパ節を固定し、顕微鏡で見て診断を確定します。
ある年齢までにある病気で死亡するおおよその確率(ただし、その病気以外では死なないという仮定のもとでの確率)。累積死亡リスクは、累積死亡率を、0から1までの分布になるように補正したものです。累積死亡リスク = 1- exp(-累積死亡率)
ある年齢までにある病気で死亡するおおよその確率(ただし、その病気以外では死なないという仮定のもとでの確率)。0~64歳あるいは0~74歳累積死亡率がよく用いられ、それぞれ64歳までに、あるいは74歳までにその病気で死亡する確率の近似値として用いることができます。年齢階級別死亡率に、その階級に含まれる年数をかけたものを、特定の年齢まで足し、合わせて求めます。0~74歳累積死亡率=0~4歳年齢階級別死亡率×5年(0、1、2、3、4の5歳分が含まれるから)+5~9歳年齢階級別死亡率×5年+...+70~74歳年齢階級別死亡率×5年
ある年齢までにある病気と診断されるおおよその確率(ただし、その病気と診断されるまでは死なないという仮定のもとでの確率)。累積罹患リスクは、累積罹患率を、0から1までの分布になるように補正したものです。累積罹患リスク = 1 - exp(-累積罹患率)
ある年齢までにある病気と診断されるおおよその確率(ただし、その病気と診断されるまでは死なないという仮定のもとでの確率)。0~64歳あるいは0~74歳累積罹患率がよく用いられ、それぞれ64歳までに、あるいは74歳までにその病気と診断される確率の近似値として用いることができます。年齢階級別罹患率に、その階級に含まれる年数をかけたものを、特定の年齢まで足し合わせて求めます。0~74歳累積罹患率= 0~4歳年齢階級別罹患率×5年(0、1、2、3、4の5歳分が含まれるから)+5~9歳年齢階級別罹患率×5年+...+70~74歳年齢階級別罹患率×5年
X線が体を通過する際のX線の吸収の差によって、体の中の様子を調べる検査。